近年日本国内では、様々な災害が発生しており断水が長引く地域も見られています。
海外でも干ばつや洪水による断水が発生し、ライフラインである水道が十分に行き届かないケースも多くみられます。
水道が十分に行き届かない期間が長引くと、生活に支障が出る可能性もあります。
でも「実際に断水に向けて備えている人なんているの…?」と疑問になりますよね。
そこで今回は当サイトで断水に備えている人についてのアンケートを取得しました。
結果をもとに、実際に断水に備えている人の特徴から、これから断水に備えた準備を始める人へ向けた対策法を紹介していきます。
実際に起こる断水のパターンとは
実際に発生する断水のパターンは、大きく分けて下記の2つに分類されます。
- 災害による断水
- 水道管の新設・更新による計画断水
以下で詳しく解説していきます。
災害による断水
災害による断水は、水道管にまで影響のある自然災害により、緊急で断水被害が発生するものが多いです。
吸水設備の損傷
災害が発生したことにより、給水を行っている設備の故障が発生するケースがあります。
浄水場や取水設備、各家庭の水道管の故障が発生し、家庭への送水ができなくなります。
規模が大きいほど復旧にかかる時間も増えますから、断水の時間が長期間に及ぶ可能性も十分にあります。
温度低下による水道管の凍結
寒冷地でよくあるのが、急速な気温の低下による水道管の凍結です。
水道管が凍結すると、蛇口まで水を送ることができませんから、凍結が直るまで水道が使えなくなります。
また凍結によって水道管が破裂することもありますので、注意が必要です。
地震による水道管の破損
地震によって水道管が破裂することもあります。
水道管は地中に埋められていますから、地盤が変化することによって水道管に圧力がかかり、破裂してしまうのです。
地震の規模や範囲が大きいほど発生する確率が高いです。
停電による送水設備の停止
災害により一帯地域の停電が発生すると、送水設備が停止してしまいます。
水道局や各種設備はコンピュータ管理されていますから、一度停電が発生すると大規模な断水になる可能性があります。
水道管の新設・更新による計画断水
水道管の新設・更新による計画断水も、よくあることです。
事前に管理会社や工事を実施する会社から、ポストにお知らせが投函されることが多いです。
連絡が事前にあるので対処しやすい反面、その期間に合わせて準備するのが面倒くさいとの声もあります。
断水が発生すると起こる可能性のあるトラブル
断水が発生すると、日常生活の中に様々なトラブルを引き起こします。
具体的な例として、下記の4点を紹介していきます。
- トイレや風呂が利用できない
- 給水所に長蛇の列
- 炊事ができない
- 数日~数か月続く可能性もある
トイレや風呂が利用できない
断水するとトイレやお風呂が使えなくなってしまうため、生活が著しく制限されてしまいます。
特にトイレが使えないのは深刻な問題。
我慢しようと思ってできるものではありませんから、何の備えもしていない状況で長期間の断水が起きると大変です。
この後の「万が一の断水に備える対策法」の項目で詳しく紹介していますが、浴槽に水を溜める習慣をつけたり簡易トイレを用意しておくといった備えがあると良いですね。
給水所に長蛇の列
断水した地域には緊急で給水所が設置されますが、当然のことながら水を求める人で長蛇の列となります。
全員が出来るだけ多くの水を持ち帰ろうと、持てるだけの容器を抱えて並んでいますし、1拠点に配置できる給水車の数も限られているためなかなか列が進みません。
また給水所を利用する際のルールとして、自動車を使わないよう呼び掛けている自治体があります。
交通整理が適切に行えない状況が予想される中で、渋滞や事故による混乱を避けるためですね。
しかしそうなると、給水所に行くのも、水の入った容器を抱えて自宅に帰るのにも苦労します。
給水所から水を調達するには、予想を超えた大きな労力が必要であることを心得ておきましょう。
炊事ができない
断水している状況では、普段と同じように料理をしたりお米を炊くことができなくなります。
レトルト食品や缶詰等がたまたまあればラッキーですが、そうでない場合は断水期間中の食事の用意に苦労することが多いでしょう。
また飲料用水の確保が厳しい中で食事からの水分補給も難しいとなれば、体調を崩してしまうリスクも高まります。
数日~数か月続く可能性もある
断水したところで、長くても2、3日すれば復旧するだろうと考えている方は多いのではないでしょうか。
しかし、実は断水から数か月もその状況が続くことがあります。
その時の断水の原因や規模等によるため、大したことはないと油断せず、最悪を想定することが大切です。
断水を経験した家庭は37.7%
当サイトの独自調査によると、過去に断水を経験したことがある家庭の割合は37.7%でした。
イメージしていたよりも多いなと感じた方は多いのではないでしょうか?
実に全体の3分の1が断水を経験しているということになりますからね。
今現在断水にあったことがないという方も、いつ自分の番になるかわからないと思えるような、決して他人ごとではない数字だということが伝わるかと思います。
断水に備えている家庭は34.4%
続いて断水に向けて備えをしているかというアンケートも実施したところ、していると回答したのは34.6%でした。
断水を経験している家庭の割合とほとんど同じ数字となっていることから、断水を経験した層と備えをしている層は重なっていると読むこともできます。
しかしお伝えしたように、断水はどの地域、どの家庭で起きてもおかしくなく、いつ自分が断水被害にあうかもしれません。
断水を経験した人だけでなく、経験したことがない人でも、危機意識を高く持つ必要があります。
断水に備える方法は「備蓄水の用意」が一番多い
断水への備えとしてどんな対策を取り入れているかというアンケートでは、「備蓄水を用意している」という回答が最も多い結果となりました。
確かに、断水時は生活水の確保も大切ですが、飲料水の確保の方が優先度が高いです。
水分補給ができなければ命にもかかわりますので、まずは備蓄水からと考える方が多いのでしょう。
また、浴槽に溜めた水を飲料水として使うには無理があっても、飲料水を生活用水として利用することはできます。
汎用性の高さから判断しても、飲料水の備蓄は合理的です。
断水に備えていない人の理由は「手が回らない」が一番多い
断水に備えていないと回答した方にその理由についてアンケートを実施したところ、最も多い回答は「手が回らない」でした。
断水対策には様々な方法がありますから、いっぺんに取り入れようとするとハードルが高いと感じてしまうことが多いです。
また断水対策は継続的に行うことで意味を持つものもあります。
毎日仕事や家事で精一杯で、そこまで手が回らないという方も多いでしょう。
万が一の断水に備える対策法
万が一断水が発生した時のために、下記の対策を取っておくことをおすすめします。
- 備蓄水の購入
- 非常用トイレの用意
- 生活用水を使わない商品の備蓄
- 普段から浴槽に水をためる習慣をつける
- 非常時の給水所の位置を確認しておく
備蓄水の購入
万一の断水のために日頃から備蓄水を用意しておくことをおすすめします。
ミネラルウォーターのペットボトルなどを定期的に購入しておくといいでしょう。
場所を取ってしまいますが、人一人当たり1日の水の消費量は3リットルといわれていますので、世帯人数に応じた数を用意しておきましょう。
ウォーターサーバーのボトルを普段から備蓄しておくのもアリ
備蓄水と言うと市販のペットボトルの水をイメージする方が多いでしょう。
しかし水にも賞味期限があるため、ペットボトルの備蓄は定期的な入れ替えが必要です。
具体的には備蓄用として売られているものなら約5年、一般のペットボトル水なら2~3年程度が賞味期限となります。
一方ウォーターサーバーの水ボトルの場合、同じように賞味期限はあるものの、ウォーターサーバーを利用していれば自然と入れ替えられていきます。
常にボトルを数本ストックしながら、新しいボトルが届いたらストック分から消費していくという形ですね。
常に新鮮なお水が定期配送されるので、入れ替えを気にせずに済み、備蓄水にピッタリです。
非常用トイレの用意
断水時の大きな問題の一つが、トイレを使えないこと。
正確にはトイレを流せるだけの水があれば使うことはできますが、貴重な水をトイレに使いすぎるのはもったいないです。
非常用の簡易トイレがあれば、そのまま可燃ごみとして処分することができるため水の節約になります。
また、そもそもトイレを流せるだけの水すら無いという場合、トイレを使ってしまうと匂いの問題が出てきます。
非常用トイレの中には消臭効果付きのものや、中身を密閉して臭いを閉じ込められる仕組みのものもありますからね。
これらを踏まえて考えると、断水対策として非常用トイレの用意は優先度が高いと言えるでしょう。
生活用水を使わない商品の備蓄
例えば下記のようなものが、「生活用水を使わない商品」の一例です。
- 水なしで使える歯磨きシート
- ドライシャンプー・ボディーソープ・ハンドソープ
- 非常用トイレ
- レトルト食品・缶詰食品
普段水を使って行ってきたことを、水なしでできる防災グッズは、断水時に非常に活躍します。
備蓄セットとしてまとめて用意しておくと心強いですよ。
普段から浴槽に水をためる習慣をつける
家庭の中で最も水を溜めて置ける場所はどこかと言ったら、それは浴槽です。
元々湯船につかる習慣がある人は、次にお風呂に入るまでの間お湯を抜かずそのままにしておけばいいだけですから、非常に手軽な断水対策となります。
一般的な浴槽のサイズは160~200Lほど。
飲料水としては使えなくとも、短期間の断水であればトイレを流したりするのに使えます。
飲料水を生活用水として消費せずに済むだけでも、非常に大きな意味がありますからね。
始めやすい断水対策として、これを機に習慣化してみてください、
非常時の給水所の位置を確認しておく
非常時の給水所の位置は、市区町村のホームページ等から確認できます。
あらかじめ給水所の位置を知っていれば、いち早くお水を確保できる可能性が高まるでしょう。
また、一番近い給水所までどのくらい距離があるのかを把握しておくだけでも大きな意味があります。
給水所へ行く際は自動車を使わずに向かうことをルールとしている自治体もありますからね。
自宅から給水所まで思ったより遠いとわかれば、他の人よりも早く行動を起こさなければ水の確保が遅れてしまうことを自覚できます。
汲んだ水を持って帰ってくることも考えて、台車を用意したほうが良いか…というように、より具体的な備えにも繋がるでしょう。
万が一の断水に備えて日ごろから準備しておこう
断水時に起こり得るトラブルの例、そして断水に備えている人についてのアンケート結果から、これから断水対策を始める人へ向けた対策法を紹介してきました。
アンケートの結果にもあるように、断水対策をしていない人の理由として最も多かったのが「手が回らないから」です。
断水対策には様々な方法がありますから、いっぺんに取り入れようとするとハードルが高いと感じてしまうことが多いです。
今回ご紹介した断水に備える対策法を参考に、出来そうだなと感じるものからまずは一つ取り入れてみてください。
いざという時、その対策をしていたかどうかで、状況はだいぶ違ったものになるはずですよ。