水素水は健康に良い?悪い?水素水の基礎知識をもとに効果を解説!

水素水は健康に良い?悪い?水素水の基礎知識をもとに効果を解説!

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水素水は「健康に良い」と日本でも注目を浴び、一時は水素産業として数百億円規模の市場にまで成長しました。

しかし、「眉唾だ」とする意見も多く、実際のところ健康に良いのか悪いのかは不透明です。

筆者は看護師として医療に従事していますが、結論から言えば「健康に良いとは言えない」というのが水素水の現状。

ただ、水素に関しては期待できる面も多く、治療として取り入れられたケースもあります。

健康に良いなら続けることに意義はあると思いますし、健康・美容に悩んでいるからこそ、藁にもすがる思いで「水素水を試してみたい!」そんな方もいるでしょう。

そこで、この記事では水素水と健康への影響について解説していきます。

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最低限理解しておきたい水素水の3つの特徴

まずは、簡単ではありますが、水素の「これだけ知っておきたい」という情報を紹介していきます。

水素水が健康に効果があると注目されたのは5つの要因があるため

まず、簡単に「どうして水素水が注目されたか」という要因である、体にどのような効果が期待されているのかを説明します。

  •  抗酸化作用
  • 悪玉活性酵素を除去する働きがある
  •  抗炎症作用
  •  抗アレルギー作用
  •  脂質代謝改善作用

しかし、いずれも水素の効用として期待されているだけのものであり、科学的根拠を伴って健康に有用だとする研究結果は未だ発表されていません。

一方で、明確に水素水の効果を否定する研究結果が示されているわけでもなく、一部企業では水素の効果についての研究が進められています。

救急医療の現場で注目されている効果

救急医療で注目されているのは、虚血再灌流障害(一時的に停止していた血流が再開した時に起きる障害)で、その際に大量に発生すると考えられている活性酸素種に対して有効だと考えられているため。

水素は「活性酸素」という、細胞を傷つける物質に対して、これを除去する作用があると期待されます。

酸素は呼吸によって取り入れられ、その中の一部が酸化させやすい「活性酸素」に変化し、この活性酸素が過剰になると、タンパク質・脂質・細胞の中の核酸に反応して傷害を与えるとされています。

水素に関しては、水素の強い抗酸化作用によりこの活性酸素の除去するのではないかと考えられているのです。

「抗酸化作用」や「悪玉活性酸素」という単語で、老化や美容と結びつけてパッケージングされた商品が見られますが、確かに、一部研究で酸化ストレス疾患に効果があるとされる文献は存在します

実用化に向けては、「心肺停止時の救急治療」や「神経系障害の緩和・予防」などが挙げられます。

引用元:理科学研究所 虚血性心疾患に保護効果を示す化合物を開発 2018年2月21日 

水素治療をすればあらゆる疾患が改善される見込みがある

  • 緑内障・白内障
  • 老化や美容への効果
  • がん・糖尿病
  • アルツハイマー型認知症
  • パーキンソン病
  • 関節リウマチ
  •  脳梗塞・心筋梗塞などの血管性障害

あくまでも期待されているだけですが、脳・神経疾患などの不可逆性に進む疾患に対しても効果が期待されていることから、研究意義のある分野であることには間違いないです。

実際に水素水の効果は実証されているわけではない

水素が注目を受けたのは2007年ごろから2016年ごろにかけて。日本医科大学の太田成男教授の「水素分子の抗酸化作用に関する論文」がきっかけ。

2016年には国民生活センターが水素関連商品についての取り扱いについて注意喚起しており、水素に対する信頼性が薄れていわゆる水素バブルが弾けたとされています。

厚生労働省の「水素」の取り扱い

2020年8月現在まで、厚生労働省は水素水の効能・効果に対して認可していません。

水素水を販売し、その効能に健康増進などを匂わせる広告を表示している場合は法に触れる可能性があるためです。。

水素ガス吸入療法が認定

「院外心停止後患者に対する水素ガス吸入療法」が先進医療Bとして認可を受けています。

研究の中心となった慶應義塾大学病院によると、水素ガスは有害物質の無毒化が期待でき、心停止後の脳機能障害を抑え、社会復帰を可能とするケースが増えることが期待できるとのこと。

「俗に『活性酸素を除去する』『がんを予防する』『ダイエット効果がある』などと言われているが、ヒトでの有効性について信頼できる十分なデータが見当たらない。」と記載されています。

引用元:慶應義塾大学 病院国立健康・栄養研究所のデータベース

国民生活センターの2016年の見解

水素問題に終止符を打ったとまで言える、2016年の水素水に関する見解では以下のように発表されました。

水素水には公的な基準や溶存水素濃度の基準がなく、製造方法や溶存水素濃度も様々です。

また、特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品として許可、届出されたものは、現在のところありませんので、効能効果をうたっているものは法律に抵触している場合があります。

引用元:国民保険センター

少なくとも、健康に良いというようなことは広告として載せることはできませんし、商品の説明に使うこともできません。

水素による健康被害はあるのか

水素水に関わる多くの商品が、「医薬品医療機器等法」「健康増進法」「景品表示法」に抵触する可能性があると指摘を受けたこともあり、多くのメーカーが撤退し水素バブルが弾ける大きな要因となりました。

ただ、実際のところ「大きな事件」になっていないため、健康被害があるのか疑問を持つポイント。

そこでここからはあまり印象にない「水素水事件」と、飲んだことで健康被害があるのか説明していきます。

水素は基本的には無害

水素自体は、人工的に作らなくても自然界にもともと存在するも物質。

水の中に水素が溶けたものや、空気中にも水素は存在します。

多量に摂取してもほとんどが体内に作用する前に水素ガスとなって廃棄されます。

一部の水素関連商品が悪質だったのは医薬法の表記の問題であり、実際に健康被害を受けたという方はおらず、なんとなく風化しやすい問題でもあったと思います。

一方で、水素は無害であるから、明らかな変化も見られないがために「否定もしづらい」という特徴もあるのが複雑。

実際に、動物実験レベルでは心肺停止・脳細胞への損傷も緩和されるというデータもあり、「有害ではないため大事にもならず、水素信仰を否定するほどの根拠もない」というのが実情だと思います。

引用元:慶應義塾大学医学部循環器内科

水素水は健康な面であまりおすすめできない

水素水は値段の幅が大きいですが、高額な水素水であれば経済的な影響も考慮して、全くお勧めできない健康法です。

ただ、健康に対する悩みは千差万別、人それぞれ。

水素が有毒であるとは言い難いので、「試しに飲んでみたい」という希望があれば、無理のない形で健康法として取り入れても良いかもしれません。

水素商品を選ぶ際は「濃度」や「有効期限」の記載がある商品を!

あくまでも、水素の効用を信じた場合となりますが、悪質な誇大広告を使用した水素健康商品の多くは撤退しています。

ただ、時が経つと同様の謳い文句で水素水や関連商品を販売するところもあります。

健康に対する効果・効能で広告している商品は、現段階では信用せずに購入しないのが一番。

水素水商品を購入される際に悩まれているのであれば、「濃度」の表記や、「有効期限」が丁寧に説明されているかをチェックしましょう。

水素濃度は空気に触れると低下するので注意!

そもそも、水素水はどの「溶存水素濃度」なら健康に良いのか、具体的な証拠がありません。

先進医療と認められた水素ガス吸入療法に関しては、18時間の2%水素添加酸素の吸入を行うという環境下で使用し、動物実験では有用だったとされています。

あえて有効と期待される摂取方法は、濃度の高さよりも「持続的」に摂取可能で、なるべく直前に水素水を生成したものを、「空気に触れる時間を少なくして」間髪入れずに飲用すること。

そのため、水素ガスを逃さないで摂取するという目的においては良さそうです。

ただ、水分摂取は自分に必要な量をある程度時間をかけて摂取するのがおすすめ。

特に、健康に不安があり基礎疾患などある方や高齢の方の場合は、嚥下に問題があってむせやすかったり基礎免疫が弱く感染するリスクがあります。

水素水を効果的に摂取する際の注意点

水素水であれば飲用するか、あるいは気になる患部に塗り込むと久賀的に水素の摂取が可能。

また、水素ガスであれば吸入も可能でそのような水素ガス吸入装置も販売されています。

国民生活センターの調査では、ペットボトルに封入された水素水製品から水素ガスは検出されていません。

保管が難しいため、摂取方法には工夫が必要と言えそうです。

水素は保存・保管が難しい

国民生活センターの調査で提示された商品のうち、2名柄のペットボトル製品からは、水素ガスすら検出されないという結果が出ました。

水素系商品を取り扱うメーカーでも、「水素分子は小さいのでペットボトルでの保存はできない」と言及しています。

また、アルミであれば水素が逃げない、ということでアルミパウチやアルミ製のボトルで販売するメーカーも。

この場合は、表示される高濃度ではないにせよ、溶存水素を確認できたものが多かったという結果が出ています。

しかし、1ヶ月程度保管すると溶存水素濃度は低下すること、開封後に再密封しても空気が触れる状態であればほとんどの水素ガスが抜けるのが研究によって明らかになっています。

コップで飲む間に多くのガスが抜ける

また、飲用のためにコップなどに水素水を注ぐと、その間に水素ガスの流出が始まり、例えば1時間ほど放置すると50%程度の濃度に低下することがわかっています。

そのため、コップに注いで飲用せず、容器から直接摂取した方が水素を効率的に取り込めます。

水素は体の中でも活躍しづらい

保存が難しいということは、摂取後から既に溶存水素は気体になり呼吸とともに出ていきます。

水素が健康的に効果があるとされるのは、あくまでも血液内で水素が巡り、活性酵素(ヒドロキシラジカル)の除去に役立つ、というもの。

まず、活性酸素に出会うまでの「体の中に巡る」必要がありますが、血中に入ることすら、水素にとっては難しいと言えます。

悪い物質に選択的に効果があるとは考え難い

一部の論文では、細胞障害性のヒドロキシルラジカルを選択的に除外できるとされていますが、抗酸化剤などは活性酸素を選択的に除去することはできないというのが通説です。

そもそも、本来自然に存在する活性酸素が、人体に対してどれほどまで影響を与えているかは明らかにされているとは言い難いところ。

先に、水素ガス吸入療法が先進医療として認定されたケースを紹介しましたが、既に「心肺停止」となっている患者の心臓・脳機能の損傷を予防、あるいは機能改善を目的としているものです。一般の方と比較する状態ではない点には注意が必要です。

また、活性酸素自体に「強い攻撃性には免疫や感染予防の役割もある」と指摘されており、生理活性物質として働いている側面もあります。併せて、人体にはそもそも「抗酸化能力」があるので、健康であるということはこのバランスが取れているということになります。

引用元:厚生労働省-活性酸素と酸化ストレス

水素水は必ずしも健康に効果があるわけではない

結論をまとめると、水素水については明らかになっていないことがおおいため、健康に良いと判断するのは現段階では難しいです。

現在も、水素関連商品を扱うメーカーはありますが、基本的には水素の特徴を理解した上で、正しく説明がされているかを見極めるのが大切。

一方で、水素に関しては期待されている効用もあり、論文などで科学的な根拠が実証されてから取り入れていくのが一番です。

どうしてもそれまで待てない、という事情などあれば、有害性が完全に否定されたわけではありませんが、摂取する方法はあるというのは、希望されている方に提供される分には良いと思います。

水素の発生自体は難しいことではなく、健康に有用であることが実証されれば、製品開発も進み、もっとコスパが良く、日常に取り入れやすい健康方法だとも言えます。

飲用での予防的な効果も期待されており、良い報告さえあれば、再び着目されるかもしれません。

いずれにしても、水素に注目が集まり、水素を活用する研究・開発に支援がいくようになるのなら、とても有意義なことだと思います。

また、今後、水素が活用される際には、既に出回った風評に振り回されず、新たに出てくるであろう悪質な商法に騙されない消費者のためにも今回の情報が役立てば幸いです。

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