精製水を普段使っている方は、市販のものを購入している方が多いと思います。
しかし、市販のものを購入するのは重くて大変だと感じた経験が1度はあると思います。
特別な水というイメージを持っている方が多く、作るのは難しいと思っているでしょうが、実は精製水は自宅でも簡単に作れます。
自宅で作れたら、好きな時に使用でき、便利ですよね!
そこで今回の記事では、自宅で精製水を作る方法とおすすめの使用方法について紹介をしていきます。
目次
精製水とは不純物を取り除いた純粋な水
まずは精製水とは何かを詳しく知らない方のために、精製水とは何かを説明します。
精製水とは、ろ過や蒸留、イオン交換などの方法で不純物を取り除いた純粋に近い水です。
原水から精製水になるまでの過程で、マグネシウムやカリウムなどのミネラルや残留塩素、微生物などを取り除くため、無色透明で無味無臭です。
通常、飲料水としては使用されずに医療用や工業用など幅広く使用されています。
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精製水の種類は3種類
精製水には、以下の3種類に分けられます。
- 蒸留水
- イオン交換水
- RO水
それぞれの精製水では、作り方や特徴が異なるため、1つずつ説明していきます。
蒸留水
蒸留水とは、水道水が沸騰した時に出る水蒸気を冷却して再び液体戻した水の名称です。
純度が高いため、化学実験や薬剤の調合などに用いられる場合が多いです。
精製水すべてに言えますが、純度が高く残留塩素などの殺菌剤も取り除かれているため、水道水よりも保存が困難です。
また、殺菌剤が含まれていないのと冷却する際に空気に触れるため、雑菌の繁殖が早いという特徴があります。
イオン交換水
イオン交換水とは、イオン交換樹脂という樹脂からできているろ過材に水を通して精製した水の名称です。
イオン交換は、一般的には硬水と呼ばれています。
ミネラルの補給やダイエット、便秘改善にも効果があるため、ダイエット中の方や女性におすすめです。
RO水
RO水とは、RO膜処理を施した水の名称です。
RO膜は逆浸透膜とも呼ばれ、0.0001ミクロンの超微細孔のフィルターです。
RO膜は水以外を通さないため、フィルターを通す過程でほとんどの不純物が取り除かれます。
とても純粋に近く衛生的ですが、ミネラル分などの成分も除去しているため美味しくないというデメリットがあります。
硬度が最も低いため、赤ちゃんのミルクを作る際におすすめです。
美味しくないというデメリットがあると説明しましたが、飲料水として用いるために人工的にミネラル分を加えて味を整える場合もあります。
精製水の作り方
自宅で精製水を作りたい方のために、精製水の種類別の作成方法を紹介していきます。
簡単に作成できる精製水もあるため、実践してみてください。
蒸留水は沸騰させて作る
蒸留水を作る際に必要なものは以下の通りです。
- 蓋つきの鍋
- 鍋に入るサイズのボウル
- 金網
- 氷
作り方の手順は以下です。
- 鍋に水と蒸留水を受け取るためのボウルを入れ、鍋の底に直接ボウルを置かないように金網を敷いてその上に置く。
- 鍋を火にかけ、沸騰したら火を弱火にする。
- 鍋の蓋を裏返して鍋の上にのせてその上に氷水を入れる。
- 冷えた水蒸気がボウルに蒸留水が溜まる。
RO水はウォータースタンドを使用して作る
RO水は蒸留水とは異なり、ウォータースタンドを購入する方法が最も簡単です。
精製水を定期的に使用する方におすすめです。
ウォータースタンドは、水道水に繋ぐだけで、工場で行われているのと同等レベルの浄水を行え、簡単に精製水を手に入れられます。
難しい工程などがなく、最初にウォータースタンドを設置するだけでいつでも精製水を使用できます。
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イオン交換水はイオン交換樹脂が使われている浄水器で作る
イオン交換水も蒸留水とは異なり、機械を使用して作ります。
イオン交換水はイオン交換樹脂が使われている浄水器ではないと作れません。
そこでおすすめなのがピュアメーカーという浄水器です。
ピュアメーカーとは卓上型で水道水から手軽にイオン交換水を作れる浄水器です。
水道水約1.5リットルを4分ほどでイオン交換水にできるため、いつでも簡単に精製水を手に入れられます。
精製水と水道水の違いは不純物が含まれているかどうか
精製水と水道水の最も違う点は、不純物が含まれているかどうかです。
精製水は滅菌・殺菌処理がされているため、純水に近いため不純物がほとんど含まれていません。
水道水には精製水と異なり、残留塩素や鉄分などの不純物が含まれています。
精製水は不純物が含まれていないため、工業機器などに悪影響を及ぼす心配がありません。
そのため、化学工業などで精密機器の洗浄や、化学実験で多く用いられています。
しかし、精製水は水道水と異なり、雑菌が繁殖しやすいというデメリットもあります。
精製水を飲み水として使用する場合は、その日のうちに飲み切り、なるべく長期間保存しないようにしましょう。
精製水の保存は冷暗所が適している
精製水はなるべくすぐに使用するべきですが、使いきれなかった場合などに短期間の保存をする場合があると思います。
その際は、必ず冷暗所で保存するようにしましょう。
雑菌や殺菌剤などが除去された純粋な水のため、直射日光などが当たる場所のような雑菌が繁殖しやすい場所での保存は避けましょう。
保存する際は、熱湯消毒をした衛生的な密閉容器に入れ冷暗所に置き、なるべく早めに使い切りましょう。
精製水の使い方
みなさんは精製水を何に使用していますか?
コンタクトレンズの洗浄用など、決まったものにしか使用していないのではないでしょうか。
しかし、精製水には多くの使い道があります。
- アイロン
- コンタクトレンズの洗浄
- ヘアケア
- スキンケア
- 車のバッテリー液
- 洗濯
以上のように多くの使用方法があります。
1つずつ説明していきます。
アイロンに使うと水垢がつかない
精製水はアイロンに入れる水に適しています。
水道水はミネラルや不純物が多く含まれるため、アイロンに使用すると服に白い水や、注ぎ口に白い結晶が付いてしまう可能性があります。
その汚れが原因でアイロン自体が故障してしまう危険があるため、アイロンに使用するのは不純物を含まない精製水がおすすめです。
しかし、精製水は雑菌が繁殖しやすいというデメリットもあるため、アイロン内に精製水が残ったまま放置していると雑菌の繁殖に繋がるため注意しましょう。
コンタクトレンズの洗浄は衛生的な精製水で
精製水は、コンタクトレンズの洗浄液としておすすめです。
水道水には不純物が含まれており、その不純物がレンズを傷つける可能性があります。
しかし、精製水は殺菌剤などが含まれていないため、雑菌が繁殖しやすいです。
そのため、コンタクトレンズの洗浄液には作ってすぐの精製水がおすすめです。
自宅で精製水を作っていれば、いつでも作り立ての精製水が使用できるためおすすめです。
シャワー後の髪に精製水をかけると髪が傷みにくくなる
精製水はヘアケアにも効果的です。
水道水には塩素が含まれているため、髪にダメージを与えてしまいます。
しかし、シャワーの水を全て精製水にするには大量に必要になるため、タオルドライをした後に精製水を霧吹きで吹きかけるのがおすすめです。
精製水を吹きかけた後に洗い流さないトリートメントをつけると髪への浸透率が高くなるため、傷んだ髪に試してみてください。
肌のダメージを抑えるのに精製水はおすすめ
精製水はスキンケアにも効果的です。
スキンケアもヘアケアと同様に、全て精製水で行うと大量の精製水が必要になってしまうため、洗顔後の仕上げとし使用しましょう。
仕上げに精製水を使用すると洗顔時に付着した塩素を中和してくれる効果があります。
また、化粧水や乳液が浸透しやすくなる効果もあるため、肌荒れなどで悩んでいる方はおすすめですよ。
しかし、保湿効果はないため、化粧水や乳液でしっかりと保湿をしましょう。
電解液の代わりに車のバッテリー液として
あまり知らない方もいると思いますが、精製水は車のバッテリー液としても使用できます。
車のバッテリー液は通常希硫酸が使われており、電極と化学反応を起こして電気を放出させる役目があります。
精製水は希硫酸代わりでき、不純物を含まないため、バッテリー性能を邪魔する恐れがありません。
自宅で精製水を作っていれば、いつでも補充ができるためとても便利です。
汚れを吸着しやすいため洗濯にもおすすめ
精製水は洗濯するのにも適しています。
精製水は不純物を含まないため、汚れを吸着しやすいという特徴があります。
しかし洗濯する水として精製水を使うのは量も多く大変なため、部分的に汚れを落とす際に精製水は便利です。
汚れている部分に精製水をつけて優しくトントンをすれば汚れを落とせます。
衣服にダメージを与える心配もないため、おすすめの方法です。
精製水は飲んでも問題ないがおすすめしない
「精製水は普通に飲んでも大丈夫なの?」と疑問に思う方は多いと思います。
結論を言うと精製水は飲んでも問題はありませんがおすすめはしません。
なぜかというと、精製水を飲むメリットよりもデメリットが多いためです。
精製水は、健康面に悪影響や美味しさを感じないなどデメリットが多いため、わざわざ飲む必要はないでしょう。
精製水を飲まない方がいい理由
精製水を飲まない方がいい理由は以下の通りです。
- 飲料水として作られていないため
- 健康面に悪影響が出る可能性がある
- 美味しくないから
1つずつ説明していきます。
飲料水として作られていないため
まずそもそも精製水は飲料水として作られていません。
どのような使用用途で作られているかというと、美容や工業用として作られています。
美容用品や工業用の機器は不純物による影響が出やすいため、ミネラル分や不純物が含まれていない精製水が適していると言えるでしょう。
健康面に悪影響が出る可能性がある
精製水は普通に飲めますが、健康面に悪影響を及ぼす可能性があります。
水にはものを溶かす性質があり、その溶解度は純度が高ければ高いほど強くなります。
そのため、精製水を飲むと、体内に必要なミネラルが溶け出し、ミネラル不足に陥る危険性があります。
ミネラル不足になると骨を作る働きが弱くなり骨折しやすくなるのに加え、食欲不振になどの症状が出る可能性もあります。
<h4美味しくないため/h4> 普段飲んでいる水には、カリウムやマグネシウムなどのミネラル分が含まれています。
水を飲んで美味しいと感じるのはミネラル分の影響が強いため、ミネラル分が除去されている精製水は美味しく感じないでしょう。
どうしても喉が渇いていた場合などは飲んでもいいですが、普段飲む飲料水として精製水を飲むのはおすすめできません。
精製水を自宅で作るメリット・デメリット
精製水を手に入れるには、市販品を購入するか、自宅で作るかの2つの方法しかありません。
市販品を購入するのは手間もかかるため、自宅で作る方が断然おすすめです。
自宅で精製水を作るメリット・デメリットを併せて紹介していきます。
メリット
自宅で精製水を作るメリットは以下の通りです。
- 作ったばかりの新鮮な精製水を使用できる
- コストがかからない
1つずつ説明していきます。
作ったばかりの新鮮な精製水を使用できる
精製水は安全で衛生的な水ですが、雑菌が繁殖しやすいという特徴があります。
1度開封してしまうと、すぐに使い切らないと雑菌だらけの水になってしまいます。
市販品を購入しても全て使い切れずに、残りを捨ててしまう場合もあるでしょう。
その点自宅で作っていれば、好きな量を作れるため無駄になりませんし、何より作ったばかりの新鮮な精製水を使用できるというメリットがあります。
精製水は新鮮さが重要なため、自宅で作るのをおすすめします。
コストがかからない
自宅で精製水を作るのは市販品を購入するよりも低コストで済みます。
精製水を作るためのものを揃える際にお金がかかりますが、それ以降はお金がかからないため購入するよりも安く済むでしょう。
デメリット
精製水を自宅で作るデメリットは精製水器の手入れに手間がかかる点です。
精製水器の手入れに手間がかかる
精製水を精製水器などの専用の機械などを使って作る場合、必ず手入れが必要です。
精製水は衛生面が第一のため、衛生面を保つためにも頻繁に手入れをする必要があるでしょう。
それを手間だと感じてしまう方は、自宅で作るよりも購入した法が楽かもしれません。
精製水は自宅で作って上手に使用しましょう!
いかがだったでしょうか。
自宅で精製水を作る方法は覚えていただけましたか?
精製水は市販品を購入するよりも自分で作った方が安く済み、自分の好きな分だけ作れるためおすすめです。
今まで市販品を購入していた方は、今回紹介した作成方法を参考にして、1度自分で作ってみてはいかがでしょうか。
今回紹介したように精製水は様々な使用用途があるため、いろいろ活用してみてください!