お茶は入れるお湯の温度によって味わいに違いがでたり、香りや成分バランスが変化したりと大きく変化します。
そのため、おいしいお茶を淹れるためにはお湯の温度にこだわるのが大切ですが、非常に繊細なので何度で淹れるのが最適なのかよくわかりませんよね。
そこでこの記事ではおいしいお茶を淹れるために、最適なお湯の温度とおいしく作るためのポイントついて紹介していきます。
適した温度はお茶の種類によって異なる!
お茶の種類によって適している温度が異なるため、一概にこの温度で淹れるとおいしくなるとは言い切れません。
そのため、茶葉ごとの特徴を理解して、最適なお湯の温度を見極めるのが大切です。
茶葉ごとの最適なお湯の温度は下記の通りです。
茶葉の種類 | お湯の温度 |
---|---|
番茶・ほうじ茶・玄米茶 | 90℃~熱湯 |
中~上級煎茶・玉緑茶・茎茶 | 70~80℃ |
玉露が強いお茶 | 50~60℃ |
玉露が強く甘みや風味が強いお茶は温度が高すぎない50℃~60℃くらいの温度が最も風味を活かせて、おいしいお茶を作ることができます。
中~上級煎茶・玉緑茶・茎茶は、テアニン・カテキン・カフェインのバランスが上手く抽出できる、70~80℃のお湯で作ると美味しく淹れられます。
また、そのほかのお茶に関しては、熱湯で淹れると茶葉の風味を最大限に生かすことができます。
お茶の味を左右するのは抽出温度
お茶を淹れるときの温度には、「飲むときの温度」と「抽出温度」の2種類があります。
ほとんどの人が飲む時の温度を重視する傾向がありますが、大切なのはお茶を抽出する時の「抽出温度」です。
抽出温度はお茶のあじわいを大きく左右する要素で、同じ茶葉を淹れる場合でも、抽出する際の温度が違うだけで飲むときの風味や味わいが大きく異なります。
低温で抽出する場合と高温で抽出する場合の違いは下記の通りです。
低温抽出
低温抽出するとカテキンやカフェインの溶解を抑えられるため、アミノ酸の働きが強くなり、甘みやうまみが引き立ちます。
甘みやうまみが引きたつと美味しくなるのが、玉露が多く含まれているお茶です。
玉露は低温で抽出することによって、最大限の働きをするため、50℃前後の低温で抽出するのが推奨されています。
高温抽出
抽出温度が高くなるほどカテキンやカフェインが多く溶け出すため、渋みや苦みが強く引き立ちます。
茶葉の茎を利用されているほうじ茶や玄米茶はカフェインやカテキンの量が煎茶と比べて少ないため、高温で抽出すると香りや風味が豊かになります。
おいしいお茶をいれるための3つのこだわりポイント
茶葉によって最適な温度が異なるのが理解できても正しいお茶の淹れ方を理解していないと、おいしいお茶を淹れることはできません。
そこでここからはおいしいお茶を淹れるにこだわってほしい、3つのポイントを紹介していきます。
- 使用する水にこだわる
- 茶葉にこだわる
- お茶を淹れる器具にこだわる
おいしいお茶を淹れるポイント①:使用する水にこだわる
使用する水はおいしいお茶を淹れために最も重要なポイントです。
日本茶の茶葉から浸出する成分は約0.3%と言われているため、水の風味や成分バランスによって、お茶の味わいが大きく変化します。
日本で身近な水には硬度の低い軟水と硬度の高い硬水の2種類がありますが、硬水はミネラル成分が豊富に含まれており、独特な風味があるためお茶を淹れるのにはあまり適していません。
逆に軟水はミネラル成分が少なく、癖の少ない水なので、お茶を淹れるのに最適です。
また、水と一括りにしても成分によってかなりお茶への影響が異なるため、水質によるお茶への影響を下記の表で紹介していきます。
水質 | お茶へ影響 |
---|---|
硬度の高い水 | カテキン・カフェインと反応するため、香りや風味が損なわれてしまう |
酸性・アルカリ性の水 | 酸味の強いあじわいになる |
鉄やマンガンの多い水 | お茶の色が損なわれてしまう |
おいしいお茶を淹れるポイント②:茶葉にこだわる
茶葉によってお茶の味わいを大きく左右するため、どの茶葉が良いのか見極める能力が大切です。
よい茶葉を見分ける際のポイントは大きく3つあります。
- 茶葉がしっかりと乾燥している
- 異臭がせずに茶葉本来の香りがある
- しっかりと炒られている
上記3つの条件が整っていれば、良い茶葉と言えます。
おいしいお茶を淹れるポイント③:お茶を淹れる器具にこだわる
良い茶葉と最適な水を選んでも、淹れる際の器具が良くないと、美味しいお茶を淹れることはできません。
ただ高ければいいというわけではありませんが、こだわりたい人は少し高価な器具を揃えることをおすすめします。
【知っておきたい!】様々な日本茶の種類
日本茶をおおまかに分類すると6つの種類に分類され、味わいや風味も大きく異なります。
自分に適したお茶を見つけられるように、それぞれのに特徴について紹介していきます。
名前 | 味わい |
---|---|
煎茶 | スタンダードな味わいが特徴で、香り高く飲みやすい |
番茶 | 煎茶よりはうまみや甘いが抑えめでさっぱりとしている |
玉露 | うまみや甘みの強い味わい |
てん茶 | 粉末から作るお茶で茶葉よりもコクがある |
ほうじ茶 | 緑色ではなく琥珀色や茶色の色味で香ばしい香りが特徴 |
玄米茶 | 米のさっぱりとした味わいが特徴 |
美味しいお茶の淹れ方のコツ
ここからは美味しいお茶をいれるためのコツを紹介していきます。
正しい淹れ方を理解して、お茶の風味を最大限に活かせるようにしましょう。
- 人数分の湯飲みを用意してお湯を注ぐ
- 急須に茶葉をいれる
- 湯飲みに入れたお湯を急須に戻す
- 急須にお湯を注いだら茶葉が馴染むまで1分間待つ
- 急須を3~5回廻して 湯のみに均等に注ぐ
※つぎはじめは濃いので均等になるように注意する - 最後の一滴まで絞り切るように注ぐ
正しいお湯の温度と淹れ方を理解しておいしいお茶を楽しもう!
お茶は非常に繊細な飲みものなので、お湯の温度や取り扱いには十分に注意する必要があります。
少しでも間違った方法でお茶を作ってしまうと、本来の味わいを楽しめません。
そのため、茶葉ごとの特徴を理解し、正しい方法で抽出しておいしいお茶を楽しんでください。