近年、被害者の数が増えている水素水詐欺。
実際、ガンを治したりダイエットできたりするなど、水素水に身体への良い効果はあるのでしょうか。
また、詐欺にも様々な手口があるため、現在の水素水詐欺は対策や対処法が難しくなっているのが事実。
そこでこの記事では、実際に水素水は身体への効果が認められているのか、水素水詐欺はどんな手口なのかを解説しています。
また、水素水詐欺に騙されないための対策や、だまされてしまった時の対処法も説明しているので、気になる方はぜひ参考にしてくださいね。
水素水の詐欺にまつわる2つの問題
水素水詐欺にまつわる問題として、水素水の身体への効果は証明されていないことと、水素水の販売方法に問題があることの2つが挙げられます。
詳しく解説します。
水素水の身体への効果は証明されていない
水素水は身体に良い影響をもたらす水と認知されていることが多いですが、実際その効果はまだしっかりとは証明されていません。
そもそも水素水の作り方や濃度についてさえもあいまいな状態で、どのようなものを水素水と呼ぶのかも定義が不明確です。
しかし、証明されてないからといって絶対に効能がないとは言えません。
水素水の身体への効能を医学的に証明しようとする動きもありますし、体内の活性酸素をうまく排出し、老化を防ぐ効果があるという研究もあります。
つまり、実際にはまだ水素水の身体への効能は明らかになっておらず、その水素水を商売に利用している時点で信用性は低いといえます。
また、水素水と違ってミネラルウォーターの体質改善効果は実証されているので、ミネラルウォーターを飲むほうがおすすめですね。
水素水の販売方法に問題がある
水素水販売方法の多くは、マルチ商法と訪問販売の2つです。
2016年3月の国民生活センターが発表した調査結果では、水素水販売に関する相談内容の半数以上がこの2つの販売方法だったことがわかっています。
この2つの方法について詳しく解説します。
マルチ商法
マルチ商法とは、商品やサービスの販売員になって販売利益を得ると同時に、他人を販売員になるように勧誘して、紹介料を得る商法です。
文章にすると理解が難しいですが、勧誘された人が次の人を勧誘していく仕組みを作ることで、ピラミッド型に販売組織を拡大する商法です。
法律を守っている範囲内なら犯罪にはなりませんが、自分の利益を増やすことを目的に強引な勧誘をするため、問題の起きやすい販売形態といえます。
水素水販売ではこのマルチ商法を使ったものが多いですね。
訪問販売
訪問販売は自宅などを訪ねて、商品やサービスの説明をして契約に結び付ける販売方法です。
詐欺などで使われる場合は、顧客に契約を検討する暇を与えないために、その場で契約するように促します。
その際、高額な費用の契約を強引に結ばせようとすることが多いので、マルチ商法と並んで注意すべき商法ですね。
実際の水素水詐欺の事例
悪徳な水素水詐欺では、実際に以下の3つのような詐欺の事例があります。
- 高額な水素発生器を売りつける
- 水度が入っていない水を水素水として販売する
- 水素水販売の広告が嘘だらけ
詳しく解説します。
高額な水素発生器を売りつける
水素水ではなく水素発生器を売りつけることで、通常より多くの料金をだまし取る手口です。
水素は味やにおいはなく、色もないため、「この水は水素水ですよ」とみせられても本物か確かめることはできません。
偽物だとしても気づくことは難しいですし、本物だとしても水素水に良い効果があるかは不透明。
実際に血圧が下がった方のデータなど、所見では本物かわからないデータを根拠にすることもあるので、気を付けましょう。
水素が入ってない水を水素水として販売
水素は無味・無臭・無色のため、仮に水素が入っていなくても、専用の機関などを使わないと水素が入っているかどうかはわかりません。
詐欺をする側からいえば、見た目で本物かどうかわからない商品はとても売りつけやすいモノです。
訪問が来たら即断るのがベストですが、水素水かどうか確かめる方法として、水素水の入った容器を確認するという方法があります。
通常のペットボトルやアルミ缶の容器に水素を含むことはできないため、この2つの容器に水素水が入っているなら詐欺を疑いましょう。
水素水販売の広告が嘘だらけ
水素水販売のパンフレットや資料などの広告が嘘だらけな事例もあります。
例えば、以下の4つのようなものです。
- 若返る
- がんが治る
- 肌荒れが治る
- 痩せる
水素水には老化防止の効果があるかもしれませんが、飲むだけで若返ったりがんが治ったりすることはありません。
また、ダイエットと結び付けられやすいですが、水素水を飲むだけで痩せることないので、気を付けましょう。
水素水詐欺に騙されないための4つの対策
水素水詐欺に騙されないためには、以下の4つの対策を徹底しましょう。
- 訪問販売で即決せず、自分でリサーチする
- 水素水をどんな容器に入れているか確認する
- 家族同士で変なものを買っていないか確かめる
- 金額の大きい買い物の判断は1日置くようにする
詳しく解説します。
訪問販売で即決せず自分でリサーチする
水素水詐欺で多い販売方法はマルチ商法と訪問販売で、どちらも面と向かって契約に結び付けることが多いです。
人は顔を合わせていると結論を先延ばしにするのが申し訳なく思ってしまうため、心理的にその場で結論を出そうとします。
特に老人の方は強引な販売になすすべなく契約してしまうケースが多く、その結果、信用性の低い商品を購入してしまいます。
面と向かっての販売では、いかに自分が正しく判断できるかがカギになるので、自分でのリサーチを必ず行いましょう。
水素水をどんな容器に入れているか確認する
水素はとても小さい原子で、通常のペットボトルやアルミ缶では隙間から抜けてしまいます。
つまり、ペットボトルを持って「水素水すごい身体に良いですよ」と販売に来る人は、詐欺の可能性が高いです。
ほかにも、水素水に限らず「パンフレットに書いてある効果が大げさじゃないか?」など訪問販売中に少しでも怪しい部分があったら、その日の契約はやめましょう。
家族同士で変なものを買っていないか確かめる
同居者がいる方は勢いで購入したものを客観視でき、怪しいものを購入しているか確認することは非常に有効。
こういった詐欺は割と高い金額を要求するため、家族で確認するのは簡単なはずです。
もし、怪しい商品を購入していて騙されたことが分かったら、そこからの正しい対処法もあるので確認してみましょう。
金額の大きい買い物の判断は1日置くようにする
金額の大きい買い物のときは、いったん持ち帰って一日待ったうえで結論を出すと、無駄な買い物を抑えることができます。
一日考えると、実はそんなに欲しいものではなかったり、ほかにもっと欲しいものが見つかったりして、自分にとって必要なものだけを得ることにつながります。
贅沢はできなくなる考え方ですが、詐欺に対しては効果抜群で、老人の方には特におすすめの方法ですね。
水素水詐欺で騙されてしまったときの3つの対処法
もし自分や家族の方が水素水詐欺に騙されてしまったら、以下の3つの対処法を実行しましょう。
- クーリング・オフ制度を使う
- 契約を取り消す
- 水素水詐欺をした業者を訴える
詳しく解説します。
クーリング・オフを使う
クーリング・オフ制度とは、マルチ商法や訪問販売などの悪徳商法による契約を、既定の期間内であれば解除できる制度です。
規定された期間は、訪問販売なら購入から8日間以内で、マルチ商法なら購入から20日以内です。
この期間が過ぎる前に水素水詐欺に気づいたなら、速やかに手順を踏んで契約を解除しましょう。
また、クーリング・オフ制度はネット契約の場合だと適用されないので、合わせて注意してくださいね。
契約を取り消す
クーリング・オフの期間を過ぎても、契約を解除できることがあります。
訪問販売の際の説明や資料の中に嘘があったり、脅迫まがいの販売により契約をしたりした場合などは、法律上で契約の解除が可能。
水素水販売の場合は、証明されていないことだらけで嘘と断定するのは難しいこともありますが、契約解除が成立する可能性は高いはずです。
心配なら、弁護士や地域の消費者センターなどに相談してみるのがおすすめですね。
水素水詐欺をした業者を訴える
水素水詐欺であることが分かった場合、業者を訴えるのは有効な手段の1つです。
その場合、被害者は一人だけではなく多くいるはずなので、その人たちと団結して集団訴訟することもおすすめですね。
詐欺の証拠や情報をたくさんの人を集めることで共有でき、より訴えを強くできます。
水素水の勧誘は断りましょう
水素水詐欺について、だまされない対策やだまされた時の対処法を解説しましたが、一番良いのは水素水の勧誘を受けた時点で断ることです。
水素水の効果はまだ公式に認められていないため、効能が不透明なまま契約を交わすのは大きなリスク。
もし、体調を改善したかったりダイエット効果を求めていたりするなら、水素水以外にも方法はたくさんあります。
例えば、ミネラルウォーターを飲むことで、むくみ改善やデトックス効果など、身体に良い影響をもたらすことは明らかになっています。
このようにわざわざ水素水を利用しなくても体質を改善できる方法はあるので、無駄な出費や事故を起こさないためにも、水素水の勧誘はまず断るようにしましょう。