水には軟水・硬水の2種類があり、それぞれで味わいや特徴に違いがあるのを知っていますか?
軟水と硬水では、味わいや成分に大きく違いがあり、使用用途も大きく異なります。
そこでこの記事では、軟水と硬水の違いを紹介し、それぞれの特徴や利用方法を紹介していきます。
この記事でわかること
- 軟水と硬水の違い
- 軟水と硬水の活用方法
- 日本にある水のほとんどが軟水
水の硬度によって軟水・硬水に分けられる
軟水と硬水を分ける指標のことを硬度と呼び、硬度とは水に含まれるカルシウムとマグネシウムの量を数値化したものです。
軟水・硬水の基準は国や地域によっても異なり、日本では硬度100以下の水を軟水・100以上の水を硬水と分類されています。
硬度の計算方法には、アメリカ硬度・ドイツ硬度・イギリス硬度・フランス硬度など様々ありますが、日本はアメリカ硬度を採用しています。
アメリカ硬度は、水1Lに含まれるカルシウムとマグネシウム量を基準に硬度を算出する方法。
他の国のやり方に比べて、簡易的で最も一般的な硬度の算出方法です。
日本の水のほとんどが軟水
日本で使われている水のほとんどが軟水で、軟水なのは日本の地形が関係しています。
日本の地層はミネラル成分が少ない火成岩が中心で、険しい山脈が多く川の傾斜も急なので、源流から海までの距離が短いです。
そのため、雨水が地面に浸透する間に、あまりミネラルを吸収せずに海や川に流れ出ているのです。
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軟水・硬水の特徴
軟水と硬水は硬度や味わいが異なるだけではなく、性質や特徴にも大きな違いがあります。
それぞれの違いを理解して、上手に使い分けられるようにしましょう。
軟水の特徴
軟水の特徴は、大きく分けて3つあります。
- 赤ちゃんでも飲める
- お肌や紙に優しい
- ミネラル成分が補給しづらい
それぞれの詳しく見ていきましょう。
赤ちゃんでも飲める
ミネラル成分が多すぎない軟水は、胃や腸が未発達の赤ちゃんでも安心して飲むことができます。
ミネラル成分が豊富に含まれていると、胃や腸を刺激してしまい、吐き気やおなかを壊す原因になるので危険です。
軟水はミネラル成分が少なく優しい水なので、赤ちゃんはもちろん、高齢者や妊婦さんでも安心して飲用できます。
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お肌や髪に優しい
ミネラル成分が少ない軟水は肌に優しいため、洗顔や髪の毛を洗うのに適しています。
ミネラル分が多い水で髪を洗ってしまうと、髪本来の性質を傷つけてしまい、痛みやごわつきの原因に。
肌への刺激も強いので、肌荒れやニキビも発生してしまいます。
日本の場合はシャワーや蛇口から軟水しか出てこないため安心ですが、海外のシャワーは硬水を使用しているので注意しましょう。
ミネラル成分が補給しづらい
ミネラル成分が少なく優しい味わいが特徴の軟水ですが、ミネラルの補給に向いておらず、軟水だけを飲んでも1日に必要なミネラル分を摂取できません。
ミネラルは5大栄養素の1つで、身体の臓器や組織が正常に働くために必要な成分です。
軟水をいくら飲んでもカルシウムとマグネシウムを摂取できないので、大きなメリットと言えるでしょう。
また、カルシウムやマグネシウムをジュースで補給しようとして、飲み過ぎてしまうと大変な事態を引き起こしてしまいます。
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硬水の特徴
硬水の特徴は、ミネラル成分が豊富という点。
ミネラル成分が豊富だとどのようなメリットがあるのか紹介していきます。
ミネラル成分が豊富
硬水の特徴は、ミネラル成分が非常に豊富だということ。
ミネラルを適切な量だけ摂取すれば、新陳代謝向上や便秘改善などの、健康を促進する効果を得られます。
また硬水には、マグネシウムとカルシウムが豊富に含まれており、2つの成分は人の体に必要不可欠な成分です。
基礎代謝向上などの健康を促進する効果があるので、アスリートや健康志向が強い人におすすめです。
おなかを壊しやすい
硬水にはマグネシウムやカルシウムをはじめとした、各種成分が豊富に含まれているため、硬水を飲むと腸の働きが活発になります。
適切な量摂取する分には問題ありませんが、大量に摂取してしまうと、おなかを壊してしまう原因に。
また、硬水はまろやかさが無く独特な味わいなので、口に合わないと感じてしまう人が多いようです。
軟水の効果的な利用方法
ミネラル成分が少なく、優しい味わいなのが特徴の軟水の効果的な利用方法を紹介していきます。
- 赤ちゃんのミルク作り
- 紅茶やコーヒー作り
- 和食を作る時
赤ちゃんのミルク作り
軟水にはミネラルがほとんど含まれていないため、赤ちゃんのミルク作りをする際に利用すればミルクの成分バランスを崩さずに作れます。
粉ミルク本来の成分バランスのままで作れるため、子育て中の家庭にとてもおすすめです。
ミルク作りだけではなく赤ちゃんの日常的な飲料水としても利用できるのも、嬉しいポイントですね。
紅茶やコーヒー作り
控えめな味わいの軟水は紅茶やコーヒーを作る時にもピッタリです。
軟水を利用することで本来の味わいを損なわずに作れるため、味わいにこだわりたい人におすすめです。
和食を作る時
和食を作る際にも軟水を使用することで、お米や野菜を柔らかくすることができ、出汁を利かせる料理にもピッタリです。
硬水だと雑味が強く出てしまうので、薄味の和食を作る際には軟水がピッタリと言えます。
硬水の効果的な利用方法
ミネラル成分が多い硬水は、和食よりも海外の洋食を作る際に利用すれば、より深みのある味わいをだせます。
煮込み料理
硬水には硬い肉を柔らかくする効果があり、肉の臭みまで取り除いてくれます。
そのため、ビーフシチューやチャーシュー、テールスープなどを作る時に利すると非常に効果的。
肉が柔らかくなるのは、カルシウムが肉を硬くする成分と結びつき、灰汁となって排出されるためです。
パスタをゆでる際
パスタを茹でる際に硬水を利用すれば、水に含まれるミネラルがパスタのでんぷんと結合して硬くなり、麺にコシができます。
パスタの本場であるイタリアでも、パスタをゆでる際には硬水が利用されているほど。
本格的なパスタを作りたい人は、硬水を使ってパスタを作ってみましょう。
違いを理解し好みや使用用途に合わせて利用しよう
硬水と軟水の違いは、ミネラル成分の含有量です。
軟水はミネラル成分が少なく、日常的な飲料水として利用でき、赤ちゃんも常飲できるためとても安全性の高い水です。
対して硬水は、ミネラル成分が多く常飲には向きませんが、適度に摂取することにより新陳代謝アップや便秘改善への効果があります。
それぞれの違いを理解して、適切な方法で利用していきましょう!