水道水とミネラルウォーターの違いとは?成分や味わいに違いがある?

水道水とミネラルウォーターの違いとは?成分や味わいに違いがある?

水道水とミネラルウォーターは何が違うの?水道水は飲んではいけないの?という疑問を持たれている人も多いのではないでしょうか?

実際、アクアソムリエになってから、友人などに会うと必ず聞かれる質問です。

その問いに答えるために、まずその二つの違いについてご説明していきたいと思います。

水道水は塩素消毒された水

水道水は地域によって水源が異なり、日本では現在70%以上がダムや河川水などの地表水から取水され、残りが伏流水や井戸水から取水されています(3%弱はそれ以外から取水)。

取水された原水は浄水場に運ばれ、沈殿・ろ過などの工程を行います。

都会など汚れが大きいところでは、オゾン殺菌や生物活性炭吸着処理などといった高度浄水処理を施し塩素消毒されて、浄水場から水道管を通って各家庭に届けられます。

原水となる川などの水には、家庭排水や工場排水も流れこんでいるため、水の汚れなどをきれいにするために浄水場を経由し、浄水された後に各家庭まで安全に届けるために「塩素消毒」がされているのです。

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水道水の塩素消毒により感染症がほとんど0に

この塩素消毒によって、戦後日本では水が原因で起きる感染症などがゼロになったと言われています。

塩素は安価で効果が持続する優秀な殺菌剤なのです。

原水がきれいな場合でも必ず塩素消毒はするように水道法で決められています(遊離塩素濃度が給水栓で0.1ppm以上)。

また水道水は、飲み水としてだけでなく生活用水としても使われるので、そのための水質基準があります。

水道水は健康や生活に支障がないように指標が定められている

その基準は、健康を守る上での指標と、生活で使う際に支障をきたさないための指標から決められています。

平成15年に水質基準として50項目が設定されてからも、厚生科学審議会答申において常に最新の科学的知見に照らして改正していくべきとの考えから、必要な知見の収集等を実施し、逐次検討がされ、2020年現在の時点では51項目の基準が設けられています。

指標には様々な基準が設けられている

前者の健康を守る上での指標には、下記のような基準が設けられています。

  • 一般細菌
  • 大腸菌
  • 工場排水などの混入によって含まれる重金属(カドミウム・水銀など)
  • 地質の影響などによって含まれる物質(ヒ素・フッ素など)
  • 化学合成原料
  • 溶剤
  • 金属の脱脂剤
  • 塗料
  • ドライクリーニングなどに使用される物質
  • 原水中の一部の有機物質と消毒剤の塩素が反応して生成される物質(トリハロメタン類など)

このように様々な基準があります。

後者の生活で使う際に支障をきたさないための指標には、着色の原因となる亜鉛、鉄、銅などや、悪臭(かび臭など)の原因となる物質、味に影響のある物質(ナトリウム、硬度など)への規定があります。

例えば、カルシウムやマグネシウムが多く含まれると石鹸が泡立ちにくくなったり、水道管にスケールが付着してしまったりすることから、硬度は300㎎/L以下と決められています。

一般的には日本の水道水の原水はほとんどが軟水なので、硬度がそれを上回ることはありません。

しかし、沖縄などで一部、軟水でない地域があり、そういった地域では浄水場で水を軟水にするためのシステムが使われているところもあります。

地域によって水道水の硬度は異なる

日本の水道水の硬度は地域によって違いがあり、軟水とは言え、硬度10ぐらいのところから100を超えるところもあります。

同じ県内だから硬度が同じというわけではなく、同じ県内でも、河川水から取水している地域と地下水から取水している地域では、硬度が大きく異なることもあります。

また同じ地域でも、季節によって硬度が20~30ぐらい変わることもあります。

ミネラルウォーターはほとんどが地下から採水された天然水

一方で、ミネラルウォーターは、ボトルドウォーター(地下水以外の水源からも採水)のカテゴリーに含まれる水を除くと100%地下水から取水されています。

2019年に国内で製造されたボトルドウォーターは10.1%なので、現在販売されているミネラルウォーターの約90%が地下水から取水されていることになります。

取水された後、加熱殺菌(中心部の温度を 85℃で 30 分間加熱)、またはオゾン殺菌やUV殺菌、フィルター除菌等がされて(商品によっては複数の殺菌方法を使用)、PETボトルやビンなどにボトリングされるというのが日本では一般的な製造方法です。

ただ、ヨーロッパの「ナチュラルミネラルウォーター」は、加熱殺菌や中身の成分を改変させるような除菌等はEUの規定(CODEX)で許可されていません。

そのため、殺菌も除菌もされずにそのままボトリングされ、それが日本に輸入されています。

無殺菌・無除菌のミネラルウォーターが危険なわけではない

ネットなどで、海外のミネラルウォーターは菌だらけ、という記事をたまに見かけますが、殺菌も除菌もされていないので、ある意味当然のことです。

ただ含まれる菌は一般細菌とか大腸菌などの菌ではなく、従属栄養細菌という菌で、水だけを栄養にして生息しているような菌です。

そのため、人体に影響を及ぼすような有毒な菌ではありません。

ただし、製造過程に問題があるような特殊な状況にあった場合には、稀に一般細菌などが出る場合があります。

ミネラルウォーターの水質にも健康に関する基準が定められている

ミネラルウォーターの水質の基準は、殺菌・除菌がされているか、いないかによって異なります。

殺菌・除菌がされているものについては成分規格が41項目あり、殺菌・除菌されていないものについては18項目(炭酸入りのものは16項目)と採水地の環境に関する基準が設けられています。

ミネラルウォーターは飲料水として使われることが主な目的と考えられるため、成分規格の項目は水道水の健康に関する項目とほぼ一致しており、生活面に関する項目などは含まれていません。

また、殺菌・除菌されてないものについては、そもそも消毒などをしていないため消毒によって生成される物質が含まれる可能性がなく、それに関する項目などもありません。

硬度やpHなどの規定もありません。

基準項目の数だけを見ると、水道水の方がミネラルウォーターより基準項目数が多いので、水道水の方が安心、というような話をたまに耳にすることもあります。

しかし、決してそういうことではなく、それぞれにあった基準が適応されているということです。

水道水とミネラルウォーターは原水や製造方法が異なる

水道水とミネラルウォーターは、原水や製造方法が異なり、味や成分などに違いがあります。

水道水の原水はもとを辿れば天然水ですが、様々な異物が混ざっているので、飲んだり使ったりできる様にリサイクルされた水。

ミネラルウォーターは天然水をそのまま取水したもの、もしくは天然水に何か加工されている水です。

そのため、製造方法も全く異なりますが、飲み水としてその二つに一番大きな違いを与えているのは、やはり残留塩素の存在です。

水道水には塩素臭があり、塩素が加わることによって生じる、消毒生成物と言われる成分が含まれます。

ちなみに塩素や消毒生成物、臭いに関する物質などは浄水器で除去することができます。

ミネラルウォーターは製造の過程で塩素が使われることはないので、塩素臭や消毒で生成されるような物質は含まれません。

国産のミネラルウォーターと水道水はほとんどが軟水

ミネラルなどの成分については、日本で採水されたミネラルウォーターは水道水と同様に軟水がほとんど。

カルシウム、マグネシウムの含有量については水道水とほとんど変わらないものや、水道水よりも少ないものもあります。

日本で採水されているものの中でも海洋深層水とよばれる水や、温泉水などの中には、マグネシウムやナトリウムなどを多く含むものもあります。

また海外のミネラルウォーターの場合は、重炭酸やサルフェートといった日本の水道水にはあまり含まれない成分を沢山含んでいる場合があります。

最近は身体にいいミネラルや成分などを人工的に添加したミネラルウォーターも見られます。

含まれるミネラルなどの量が多くなると当然、味にも影響が出てきますし、炭酸は含まれる量が微量でも全く違う味わいになります。

ミネラルウォーターを選ぶ際には、そういった成分や特徴などに着目して選ぶとよいでしょう。

ミネラルウォーター・天然水どちらにしても水分を摂取するのが大切

人間は体内の水を尿や便や汗という形で一日に約2500mlを排出しています。

その排出された分を摂取しないと体内に水分が不足し、様々な体調不調の原因を生み出します。

食事からも水分は摂取できますが、最低1500mlは飲み物から水分を摂取した方がよいでしょう。

その際の水として水道水を選ぶかミネラルウォーターを選ぶかは、ご自身の価値観に基づいて決めて頂けばいいと思います。

海外では水がそのまま飲めないような地域もありますし、日本でも周囲の環境を気にせずに井戸水や山の湧き水などを飲むことは危険です。

ただ日本の水道水でお腹を壊すということはまずありません。

水の質にこだわるのはもちろん大事ですし、水を選ぶことは生活を豊かにすることにもつながります。

しかし、質にこだわるばかりに、高くて購入できないとか、遠くて購入しに行けないといった理由で日常的に水が飲めなくなるのでは本末転倒です。

まずは毎日必要な量を飲める環境を整え、毎日必要な量の水を飲むことが一番大事だと思います。

特に年配の方や小さいお子さんと一緒に生活されている方はその方たちの水分補給にも気を配って頂けたらと思います。

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